2019年10月1日に消費税が10%に引き上げられてからしばらく経ちましたが、一般の賃貸物件の契約では住居として使用する場合、賃料に関しては消費税は非課税とされています。
では、ウィークリー・マンスリーマンションの場合、消費税の取り扱いはどうなるのでしょうか?業界全体のトレンド・物件運営会社の方針と、利用者が注意すべき点についてご紹介します。
国税庁の規定では課税対象
国税庁のホームページで確認すると、下記の記載があります。
(1) 住宅の貸付けとして非課税となるのは、その貸付けに係る契約において住宅用に供することが明らかにされているものや、契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかなものに限られます。
(2) 次に該当する場合は非課税となる住宅の貸付けから除かれます。
イ 貸付期間が1か月未満の場合
ロ 旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合
(注)例えば、旅館、ホテル、貸別荘、リゾートマンション、ウィークリーマンション等は、その利用期間が1か月以上となる場合であっても、非課税とはなりません。
この内容から判断すると、ウィークリー・マンスリーマンションの場合、期間やその呼称に関わらず課税という解釈になります。
実際は1ヶ月以内は課税、1ヶ月以上は非課税が多い
しかし実際は、かなり以前から業界の慣例として、「1ヶ月未満は課税、1ヶ月以上は非課税」という扱いが長い間続いていたということもあって、1ヶ月以内の利用は課税、1ヶ月以上は非課税としている運営会社がほとんどです。
期間によって非課税、課税を分けている運営会社の主張は下記です。
- 定期借家契約を締結しており、住居として利用しているので、住宅の貸付に該当し非課税である。
- 清掃等の衛生管理においては入居者本人が行っているので、実態は住居で課税対象の一時使用ではない。
- 賃料を設定しており、利用者数によって変動させていないので、旅館業に該当しない。
そもそもマンスリーマンションの場合、1ヶ月未満は「一時使用」として課税対象になるが、1ヶ月以上の場合は「居住」として契約していることが明白で、消費税法の「住宅の貸付の範囲」と判断するのが妥当だ、というのが主張の根拠になっています。この解釈については運営会社によっても判断が分かれるところです。
「住居用に供する」の判断が曖昧なため、「実態で判断する」ということで、消費税の適用については物件がある地域を管轄する行政の判断によるということになります。つまり、日本全国のどの物件も全て同じルールで運営されているわけではないことに注意してください。
契約前に必ず消費税の課税・非課税をチェック
物件の運営会社に見積を取る際は、必ず消費税が課税か非課税かを確認するようにしましょう。
また、「1ヶ月未満は課税、1ヶ月以上が非課税」というルールが適用されている場合でも、延長する場合、消費税の取り扱いはどうなるかを確認しておく必要があります。
例えば当初3ヶ月の契約で非課税で契約したが、3日だけ伸ばしたいといった時です。この延長の部分は1ヶ月未満の契約となって課税対象になるのか、延長前の契約と同一の内容で非課税になるのかという問題です。細かい事ですが、トラブルを避けるため確認しておくことをおススメします。
【物件の運営会社の方へ】便利な管理システムあります
消費税の取り扱いについては、運営会社が課税事業者の場合、インボイス制度に対応した適格請求書を発行する事も求められます。
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